自己分析・自分探しはそろそろ終わりにしませんか? | unautre〈ユノートル〉
lifeshift design-consulting 2019年2月19日

自己分析・自分探しはそろそろ終わりにしませんか?

ごちそうさま。おいしかったよー。

明るく丁寧におじぎまでしてお店を出ていく姉妹たち。真ん中のあの子はまだ年中さんと言っていたかな。

KITCHEN unautre周りにある沢山のビニールハウスじゅうに聞こえる元気な声。他のお客さまとお話をしていた私だけでなく、そこにいたみんなが、

ばいばーい!と返事をする。

これがキッチンユノートルの日常。今や当たり前のようにあるこの日常ですが、お店を持つ前の私は、こんな幸せな日曜日が来ることなんて思いもしなかったのでした。

人と接することが得意?

unautreは、取材や撮影というお仕事もしています。人と会い、お話を聞き、写真を撮る。言葉にするとたったこれだけのことなのに、とても濃厚な時間。今日の取材もどれも楽しくて、会話中お話に夢中になりました。

カフェ営業や、取材、接客…etcというお仕事をしているというと、もしかしたら「人と接することが得意」と思われるかもしれません。

いえ、むしろ子どもの頃から恥ずかしがり屋で、どちらかというと苦手な方だと思っていました。先日キッチンユノートルに来てくれた冒頭の女の子のように、明るく挨拶なんて全くできなかったし、初めましての人にどう声をかけていいかわからず、女子校時代、他校の男子高生に敬語で話しかけて同級生に笑われるなんてこともありました 笑。

どの仕事にも「人と接する」がついてきた

人に苦手意識があった私が、どうして変わったかと振り返ると、きっと、人に会うということをたくさん経験をしたからだと思います。学生時代レストランでのアルバイトで出会うお客さま、ショッピングセンター内のデザイン仕事では、入っているテナントの店主やイベント時に会うお客さま。販売のお仕事では一日でお会いするお客さまの数は数え切れないくらい。

いくつかの転職を繰り返して、やりたい仕事を選び続けたところ、どの仕事にも「人」が関わり、「人と接する」機会が多くありました。

私の好きなことには、「人と接する」が必ずついてきたのです。

自分探しで、正解は見つかる?

一時期流行った「自分探し」という言葉がありますね。いろんな心理テストもあります。私はこういう人で、こんなことが得意で、こんなことが苦手なんだ。自分を知ることは大事だから、まずは自分を知ることから始めましょう。自分の得意と苦手を知って、得意を伸ばして、苦手なことはなるべくやめていこう。そんな考え方があります。

それは正解でもあるし、正解ではないとも、今の私は思います。

一旦自分探しをするのはいいですが、ずっと自分探しを続けて苦手なことがわかるとこれはやめておこう、と決めてしまう人がいます。私はこういう人だから、こんなことはできないと決めてしまうこと、やろうと思えばできるのにその範囲を自ら狭めてしまうことほど勿体無いことはないと思います。

自分探しで苦手と判明したからといって、ずっと苦手とも限らない。やってみたら案外できた。意外とできるかも、得意ではなくてもやれないことはないかも。

そんなことだってあるんですよね。私が「人と接する」機会を増やしていったら、いつしか一番楽しい仕事が接客することになったみたいに。

好きなことと一緒なら、苦手なこともきっとできる

もし好きなものがあってこれを売る仕事をしたいと思っていて、でも人とは会いたくないとしたら、インターネットでの販売という方法ももちろんあります。でも仕入れはどうする?これもネットだけ?苦手だからといって、ひたすら人と会うことを避けて通っていたら、本当に扱いたい商品は扱えないでしょう。本当にやりたいこと、好きなことはできないでしょう。

ひたすら苦手を排除していたら、味気ない人生になってしまいます。

反対に、好きなことのためなら苦手なことも意外とできるものです。例えばフリーランスで言えば必ずついてくる事務仕事。フリーランスをしている人は、皆数字が得意なわけではありません(私も然り)。数字は苦手だとしても、この仕事をやり続けたいから、時に専門家の知恵を借りたりして、計算だって確定申告だってこなすのです。

取材させていただく中でも、好きなことを楽しんでいる人は、実は苦手な部分もひっくるめて楽しんでいるなって思いました。それを長年続けていくうちに、自分のものにしていくのです。

自分分析はそろそろやめませんか?

私はこういう人、これが苦手、これは得意。そういう分析や自分探しはそろそろやめて、好きなことやってみませんか?

それよりも、トライしながら、起きたことに関して、結果に対して自分に聞いてみる。うまくいったこと、失敗したこと。それについて

私はどう思ったのか、さらにどうしたいのか。

自分分析は、いつまでたってもそこから進まない、自分探しを続けてもいつまでたっても見つからない。でも、やったことに対してどう感じたか、どう思ったか、どうしたいかは、自分に聞いていけば分かることだから。

人と接するのが苦手だと思っていた私が、人と接する仕事をするうちに、「あれ?苦手だと思っていたけれど、実際やってみると結構楽しい。」に変わっていったように、やってみたら楽しい!好き!これを続けたい!になるかもしれません。

人は、決めた自分になっていく

自分分析(自己分析)を繰り返して、私はこういう人だからと決めてしまうと、きっとそういう人でしかいられないと思います。もう歳だからと、年齢を気にしていろんなことを諦めてしまうのと同じように。

人は決めた自分になっていくものだから、どういう自分でいるかは自分が決める。自己分析の結果や心理テスト、はたまた占い?などに惑わされずに、それは一つのヒントだけにして、一番大事なのはどういう自分でいたいのかなのだと思います。

こんな人になりたい。こんなことをやりたい。

その気持ちがあるのなら、想像できたことならば、いつかそれは実現するのだと思っています。

幼い頃に戻って、「元気で明るい子供の私」のイメージを作り直すことはできなくても、これからの自分は、自分で決めて作っていけるのです。

そんなことを、最近のキッチンユノートルでの出来事や取材などを通して、改めて思ったのでした。